お陰様で最近、「なす伝の水なす漬けの皮の軟らかさは別格、実もジューシーで、これさえあれば他におかずは何も要らないかも・・・」と言った声を多くのお客様から頂くようになりました。有難うございます。
水なすを作り始めてから僅か10数年、業界最後発のなす伝がこれだけ多くのお客様からご好評・ご指示を頂くようになったのには理由があります。
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@業界で最も狭い農園だからこそできる業の数々
なす伝の農場のうち、水なす農園は間口6m、長さ30mのビニールハウスが3棟にしか過ぎません。他の農園は小さなところでも、より大きなハウスを最低6〜7棟は有しておりますので、なす伝は業界最小の農園であると推察されます。
しかしその様な最小農園であるからこそ出切る事も多々あるのです。例えば、
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a.1つの木・果実にかけられる手間隙の多さ。
b.水や肥料のタイミングを逃さない。
c.病害虫をいち早く見つけ、先手を打つ(減農薬)。
d.最後発ならではの情報網の広さ。 |
などです。
A小さな農園ながら、出発当初から畑での生水なすの生産と、お漬物の製造を併行しておこなっています。その理由は次の通りです。
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a.水なす漬けの美味しさは、7〜8割は農場での水なすの出来不出来で決まるといっても過言ではありません。
b.お客様のご意見・ご講評を、当初より水なすの生産にフィードバックして取り入れ、反映させてきた。
c.一言に水なすと言っても微妙な違いがあり、形、皮の柔らかさ、水分、甘味、手触り、どれをとっても素晴らしいの個体の調達は、自ら畑作をおこなうのがベターである。 |
B減農薬で、ワラや籾殻、バーク材などの有機材料をすきこんだ土造りを徹底的におこなっている。 などです。 |
ちなみになす伝の名前の由来は、美味しさを「伝える」、「伝統」を継承する、真心を「伝える」の伝です。そして一つ一つの製品は、愛情を込めて育て上げた子供を世に送り出す思いと同じ気持ちでお客様の元へお届けしています。そのため次のようなことも守っています。
藁を細かく切って、これでもかと言うぐらい畑にすき込む。
細部にこだわった漬け込み
糠床は乳酸菌発酵食品で、ヨーグルトなどとよく似たものです。しかし、糠床の中には、乳酸菌だけではなく酵母菌等他の菌も活動しています。
乳酸菌は嫌気性環境(空気を必要としない)の中で増殖すると、乳酸という酸を出して糠床を酸っぱくさせます。この酸が雑菌を抑制してくれます。又、乳酸菌は、高い塩分環境の中でも増殖できます。ぬか漬は、床を作った時には、乳酸菌の数は多くなく、塩の殺菌力で腐敗を防ぎます。乳酸菌が増えてくると、乳酸菌の出す乳酸で低塩でも腐敗を防ぎます。
従って、最初は、塩辛くとも、熟成した床になってくると塩分は、少なくて済みます。
一方酵母菌は、好気性菌(空気を必要とする)で、ぬか床の表面で繁殖します。この菌は、増えすぎると嫌な臭い物質を出します。昔から云われています「ぬか床は、毎日かき回す」、これは、ぬか床の表面に繁殖した酵母菌を床の中に押し込み菌数を抑制することです。
余分な酵母菌は、分解され旨味成分に変化します。
それでは、時代の流れとして減塩・低塩分濃度が要求され、漬け込んでから3〜4日のうちに食べてしまい、また10℃以下の冷蔵保存(勿論、糠をかき混ぜるといったこともしない)されると言うような条件下で流通・消費される袋入り水なす漬けの場合は、どのように製造すればいいでしょうか。
なす伝の出した答えは、まず塩分濃度は3%台としました(業界では大体3〜6%が多いです)。これにより、漬かり方は随分スローペースで変化します。
また試行錯誤を重ねた結果、ある一定範囲の塩分濃度の下でのみ発酵する植物性乳酸菌を発見し、これを取り入れた糠床を少なくとも1ヶ月間熟成発酵させ、親糠床にすることと致しました。実際には、お客様からご注文を受けてから糠床を用意するのですが、その際に用意する新しい糠床3に対して、先ほどの親糠床から取った1程度の糠をブレンドしております。このことにより「浅漬け本来の爽やかさを残しつつも、ほんのり奥深い味わいを醸し出す」ことに成功致しました。簡単に申し上げれば、新しい糠床に長期熟成発酵させた古い糠床を混ぜ合わして、爽やかさと奥深さを併せ持つようにしたのが、なす伝オリジナルの糠床であります。
なす伝水なす農場での独自の水分管理により、当方の水なす糠漬け(浅漬け)の皮の薄さ・柔らかさは業界随一と自負しております。また多くの方々から、瑞々しさと甘味のバランスも絶妙とのご評価を頂いております。
なす伝特製水なす糠漬けは、全て個別袋入りのため冷蔵庫での保管やお裾分けにとても便利です。商品の到着後は、冷蔵庫の出来れば野菜室にお入れ下さい。水なす糠漬けの保管は5〜12度、より望ましくは8〜10度が適しています(但し、生水なすは常温保存です)。真夏の作物である水なすは、例え浅漬けであっても5度未満では急速に鮮度が落ちます。
なお、生の水なすや古漬けのお召し上がり方につきましては、
「レシピ」の頁も是非ご覧下さい。
水なす糠漬けのお召し上がり方
◆食べ方の目安(商品到着後)
1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目
食べ頃 ←← 食べ頃 →→ 少し辛め ※辛い
(あっさりめ)
◆食べ頃での食べ方
1.水なすは空気に触れると色も落ちます。袋のまま冷蔵庫に保存し、食べる直前に冷蔵庫から取り出してお召し上がり 下さい。
2.袋から出し、糠をとり、さっと水洗いして、ヘタの部分を切り落とし、お好みの厚さに切ります◎。
◎地元泉州では、ヘタの部分を切り落とし、ここから先は包丁を使わず、手で縦にさいて食べます。その方が舌触りが格段によくなるからです。(写真A)
ヘタを切り落とした部分に、4〜6等分に切り目を入れておくと割きやすくなります。(写真@)
◆辛くなってしまった糠漬けの食べ方
※5日目を過ぎ、漬かりすぎで酸味が強くなりましたら、小さく刻んで水洗いし、軽く絞ってから、土生姜、ごま、醤油をかけていただくと食欲をそそる一品となります。
地元の泉州地方では、これを食べたいが為、わざと5日間以上冷蔵庫で浅漬けを保存する人もいるほどです。是非一度お試し下さい。