「皮の部分がツヤツヤして、はち切れんばかりにパンパンと張って、ヘタの部分にトゲトゲ(チクチク)と鋭いトゲが生えているとなお良い・・・」、そんな水なすが新鮮でお勧めです。これ、水ナスの選び方です。さらにより新鮮な水なすは、ヘタの収獲した際の切り口が鮮やかな緑色です。これが古いものは黒ずんじゃって、蝋で固めたようになったり、半分コルク化しているものは避けた方がいいのです。
水なすは皮が薄くて柔らかいので、細かな擦り傷が付きよいです。栽培途中で葉が触れただけでキズが付くほどです。上手な栽培家は毎日葉欠きをして葉と実が触れないように細心の注意を払って育てています。なので、できれば細かのキズの無いほうが良い水なすと言えます。但しこうしたキズの跡は、水ナスの栄養であるポリフェノールの一種「ナスニン」が集中して含まれている統計があります。こうした観点からは細かなキズはあまり気にしないほうがよいかもしれません。
ただナスには時折、表面に茶色く変色した筋が見受けられるものがあります。この茶色い筋は「スリップス」と言う病気の可能性もありますので、茶色の濃く色付いたキズのある水なすは避けたほうがよいです。またヘタの部分に出来たひび割れ状のスジも害虫由来のもの。いずれも味は落ちます。
夏と春や秋では保存方法が異なります。
水なすも含め夏野菜は常温保存と言われていますが、真夏に保存を長く保ちたい場合は冷蔵庫の野菜室での保存が好ましいと思われます。水ナスの保存温度の目安として10℃〜12℃くらいが適温ですので、野菜室が向いています。但しおおむね3日以上冷蔵庫に入れると、水なすは寒い所が苦手ですので病気になってしまいます・・・。低温障害になり見た目が茶色になってブヨブヨになります。買いすぎてすぐには使わない場合の対処としては、ラップか透明のビニール袋に包んでから新聞紙などでさらに包み冷蔵庫へ、絶対に冷凍庫には入れないようにします!
一方春や秋には、冷蔵庫に入れると水ナスの水分が飛んで皮にシワが出ます。ラップか新聞紙に1本ずつ包んでから、冷蔵庫ではなく冷暗所に置くといいです。
さらに水なすを長期保存する方法もあります。素揚げしてから冷凍すれば、味噌汁の時に簡単で美味しくなります。冬場の乾燥した時期ならば、スライスした水なすを2日ほど天日干しにしてから冷凍すると、半年はもつようになります。食べる時には予め水で戻してから調理することをお忘れなく。
水なす糠漬けの食べ方については、「商品紹介」の頁で“手で裂き方等”をご参照下さい。ここでは生の水なすの、調理の際の切り方についてご紹介します。
まず、水ナスの弾力ある歯応えを楽しむには、繊維に沿って縦に切ってから、少し斜めに薄切りして使用します。そうすることで、繊維と繊維の間に含まれる水分を逃すことなく、美味しくいただけます。
また加熱する際には、できるだけ加熱直前に水ナスを切るようにすれば、僅かの灰汁も気にならなくなります。
水ナスを揚げる時には、皮の部分に細かく飾り包丁を入れます。そうすれば皮が捲れず、見た目も綺麗に揚がり、出汁もよく染み渡ります。
水ナスを油に入れる際には、必ず皮目から投入します。そうすることで火が均一に入り、仕上がりの色も落ちず、綺麗な茄子紺が出ます。
また水ナスは油と相性が抜群に良いのですが、油を吸いすぎるので、揚げた水ナスはザルに乗せ、熱湯をかけて湯通しして油を落とします。こうすればさっぱり食べられます。なお、油通しで水っぽくなるのを避けたい場合は、中高温でサッと揚げてから、出汁に漬けて急冷します。そうすると水っぽくならず、お好みの食感が得られます。
【作り方】
1.後で皮を剥きやすいように、水なすの表面に包丁で3本ぐらい縦筋を入れる。
2.魚焼網などを使って、近火&強火でしっかりと火を入れる。表面がコゲっぽくなり香ばしい香りがしだしたら水ナスを回し、全体に火を入れてゆく。
3.常温で冷ます。
4.ヘタを手に持って、上から下へと縦に皮を剥く。
5.ヘタつきのまま切って出す。お好みで鰹節、だし醤油、白胡麻などをふって・・・。
【美味しさのコツ】
1.表面のコゲは水ナスをスモークする効果もあるので、どうか恐れずに。
2.水ナスの豊富な水分を湯気で逃さぬよう、水ナスが焼けてからも、温度が下がるまで辛抱強く待つ。十分冷まさないうちに皮を剥くと水分がでてしまい、不味くなる。
【作り方】
1.白胡麻ペースト 大さじ2、酢 大さじ1、醤油 小さじ半分、をよく混ぜてドレッシングを作る。
2.水ナスのヘタの周りにぐるりと包丁を入れ、ヘタを取り、お尻に十文字の包丁を入れ、手で縦に裂いて8等分にしてゆく。
3.ボウルに2の水ナスを入れ、塩とごま油を少々入れて軽く混ぜる。
4.器に盛り付け、1のドレッシングを好みの量かければ出来上がり。
1.水ナスのヘタとお尻の部分を包丁で落とす。
2.8分の1サイズの櫛切りにしてから、皮の部分に5mm幅の飾り包丁を入れる。
3.180〜190℃に熱した油の中に皮目から水ナスを入れ、全体がキツネ色になるまで揚げる。
4.出汁の入ったボウルを、氷水に落として十分冷やし、その中に揚げたての水ナスを入れて急冷をかける。器に飾りつけて出来上がり。