ナビゲーション
自慢糠漬けは元気の素
糠漬けとは
糠漬けは日本独自の漬物です。米糠と塩を練合わせ、乳酸菌や酵母菌をほどよく発酵させて糠床を作り、その中に漬け材料を入れて漬け込むことにより、漬け床の旨み、酸味、甘味、栄養をしみ込ませるのです。
保存のために塩分をかけるというよりは、収獲したばかりの新鮮なな漬け材料の発酵をすすめる環境として塩分を利用する漬けものと言えましょう。
全国で糠漬けが作られていますが、各地域の気候風土により、糠床の作り方や漬ける時間が違い、それぞれ特徴のある漬物となっています。関西では水分の多い漬け床を使うのでドブ漬け(ドボ漬け)とも言われます。泉州の水なす漬けは浅漬けとも呼ばれ、、僅か4〜5日の間に食べ頃をむかえ、しかもその間の味の移り変わりを楽しむと言った全国的にも珍しい漬物です。
決め手は糠床のコントロール
糠床は、米糠に含まれる酵素や澱粉、たんぱく質、脂肪などの成分が、自然に混入した乳酸菌や酵母菌の発酵作用によって旨味や甘味、酸味、香味成分に変化し、漬け床としての役割を担うようになります。
糠床の状態は気温や空気の出入り、食塩の量、漬け原材料の性質などによって変化します。そのため糠漬けを上手く漬けるためには、それらの諸条件を上手くコントロールし、糠床をより良い状態に保つことが必要になります。
糠床は基本的には年間を通じていつでも作ることが出来ますが、発酵適温の関係からシーズンは春先から秋になります。発酵適温である20〜25℃の環境が楽に得られる季節です。どちらかと言えば暖かい時期に漬けると上手くいきます。しかし気温が30℃を超えると急に酸味や悪臭が出やすいので注意が必要です。
なお、「なす伝特製の袋入り水なす糠漬けの保管は5〜12度、より望ましくは8〜10度が適している」としており、上記の発酵適温と異なっていますが、これは製品としての発酵の進行をわざと遅らせているためです。冷蔵庫の中で徐々に発酵させることにより4〜5日間の食べ頃を確保しております。
発酵の仕組み
糠漬けは米糠に含まれているタンパク質や脂肪、ビタミン類やリン酸塩、アミラーゼなどの酵素の作用によって、乳酸菌や酵母菌などの微生物の発酵作用を促がし、旨味や香味を熟成させた発酵漬物です。
野菜が腐るということは、野菜の中で腐敗菌、大腸菌などの有害な微生物が育っていくことです。
乳酸菌、酵母などの人体に有益な微生物も、腐敗菌、大腸菌などの有害微生物も、もともとは自然界に沢山散らばっています。つまり大気に含まれたり食品についていたりするものなのですが、どちらが優勢であるかによって、食品の安全性が決まります。
そこでポイントとなってくるのが塩分濃度です。通常、有益微生物は好塩性で、有害微生物は嫌塩性です。つまり、適度な塩分のある所では、腐敗菌などの有害微生物は抑えられ、人体に有益な乳酸菌や酵母が活動して発酵が起こるのです。
このような発酵の仕組みは、学術研究などが未だ進んでいない古来から人類が経験的に学んできた食品保存の知恵です。理屈が分るずっと以前から、人々は味噌や醤油や糠漬けを作ってきました。そういう意味では、発酵食品こそ人類の食文化の原点であり、私達が大切にしていかなければならない食の基本だと言えるのではないでしょうか。
発酵と塩分
薄味万能の今日この頃、すっかり嫌われ者になってしまった塩分ですが、適切に使えば、食品を保存する上で最高の味方になります。
発酵は乳酸菌、酵母などの人体に有益な微生物が生育・活動して、旨味や香味、甘味などの成分を作り出すものです。その際に、腐敗菌、大腸菌などの有害微生物の発生を抑えるためには一定以上の塩分が不可欠です。味覚としての美味しさを保ちつつ、腐敗を防ぐ塩分のボーダーラインは3%、これ以下だと腐敗菌が繁殖し、これ以上だと乳酸菌が発生して腐敗を防ぐのです。うまくしたもので、世界各地の発酵食品、例えばチーズやバターなどの塩分はほとんどがこの3%になっています。ちなみに、なす伝の水なす糠漬けの塩分濃度も、この3%台に設定して製造しております。
糠床の香味はお母さんの手の味
人間の体には、誰にでもさまざまな菌が付いています。乳酸菌もその一つです。特に健康な女性は、頭のてっぺんから足のつま先まで、乳酸菌の宝庫です。素手で糠床をかき混ぜることが常に新しい乳酸菌の補給になるのです。そのため、糠床の香味や糠漬けの味は、各家庭ごとにそれぞれ微妙に違うと言われてきました。
糠床の乳酸菌は、かき回すことによって補給されますが、人の手についている乳酸菌の種類は、その人によって違うので、どんな乳酸菌が補給されるかが、それぞれの家庭によって違うのです。つまり各家庭の糠漬けの味は、糠床をかき混ぜている人の持っている乳酸菌の味なのです。
乳酸菌を強化した糠床
なす伝では、糠漬けを製造する一連の過程で、安全衛生上から手袋をつけて製造しております。勿論糠床を攪拌するのもビニール手袋をはめておこなっています。では上記の人の手による乳酸菌はどのように補給されるのでしょうか。
このことに対するなす伝の答えは、厳選した乳酸菌を積極的に付加するということです。なす伝では水なす糠漬けの製造に際して、関東地方のある農業技術試験場が開発した乳酸菌を付加しています。この乳酸菌は、ある一定範囲での塩分濃度の下でのみ発酵するという特色を有した乳酸菌です。これを使うと、発酵が進んである塩分濃度に達すると自動的にそれ以上の発酵が抑制されます。なす伝の水なす糠漬けの味がマイルドなのは、この乳酸菌の特性も関係しているからです。
なす伝の糠漬けは上記のような特色を有していますので、水なすを食べられた後の糠は捨てずに是非きゅうりなどのお漬物にご活用下さい。ある一定の塩分濃度を越えまと自然と発酵も抑制されますので、きゅうりなどを漬けられる際には、一握りの塩を混ぜ合わせるとより風味豊かな浅漬けが出来、上手くいくようです。是非お試し下さい。
美味しい糠漬けは肥沃な土作りから
私の兄は、なす伝の水なす農場ハウスの横の水田で、毎年米作りをしています。その田植えや刈り取りの作業を手伝う代わりに、ワラや籾殻を一手にもらい受けております。幸運なことです。
なす伝の水なす農場へは、そのワラを5cmくらいに細かく裁断して畑一面に撒きます。それはもう「これでもか、これでもか・・・」というぐらい、沢山土に混ぜ込みます。また懇意にしていただいている造園屋さんに頼んで、広葉樹から生産したバーク材をトラック数台分土に混ぜ込みます。またなす伝の水なす農場では、化成肥料は出来るだけ使わず、配合肥料を使用しています。
よく「なす伝の美味しい水なす作りのコツは何ですか?」と聞かれることがあるのですが、そう尋ねられたとき、私は迷わず「一番のコツは、理屈抜きにして、肥沃度の高い良質の土作りです」と答えます。
一度口にして美味く、また食べたくなるようなお漬物は、品質の高い水なすからしか作れません。そんな水なすを作るために大切なのは、風土にあった品種と、なによりも肥沃な土です。海、山、川、、池そして気候という自然をバランスよく取り込んだ土壌だといえます。
カード決済、コンビニ後払いが可能なオンラインショップ
泉州郷土料理の代表、じゃこごうこ、穴子ごうこ、蛸ごうこ
減無農薬野菜のスイーツ、水なすのケーキも!
なす伝オリジナル、美味しい水なすのレシピ