色々なレシピに使える水なす
ナスの中でも唯一、生で食べられるのが水なすです。全国的にもこれほど生食が認知されているナスは珍しいのです。水なすは皮が薄くアクが少ないため薄くスライスして他の野菜とサラダにしたり、少々の粒塩とオリーブオイルで前菜のような食べ方もできます。
他のナスよりも皮が薄くて水分が多いから、煮たり油で揚げたりすると、たちまちとろけてしまいそうだと思われがちですが、実は和洋中すべての料理に水なすを使えます。油と相性が良いのはもちろん、焼きナスから煮物、天ぷら、さらにマーボー茄子などでも水なす の味と食感が生かされます。ただ、他のナスよりも皮が薄く水分が多いので、多少煮崩れしやすいのも事実です。煮物にすると水分がたくさん出るので水の量を少しだけ少な目にするのがポイントです。なす伝では、生の水なすを販売する他、水なすのレシピを公開していますので色々な料理に是非ご活用下さい。
水なすの選び方(見分け方)
皮が濃い紫色で、張りとツヤがあり、ふっくらしていて同じ大きさなら重みのあるもの。ヘタの切り口がみずみずしく、よく見るとトゲがピンととがっているものが新鮮です。ヘタがしおれていたり、ヘタの切り口が白く乾いているもの、皮の表面のツヤが無いものやシワがあるものは収穫してから時間が経っています。
水なすの選び方については、当HPの「水ナスを美味しく食べるコツ」で詳しく書いておりますのでご参照下さい。
水ナスの保存方法
生の水なすは、ナス自体が熱帯地方原産だけに冷気と乾燥が苦手です。なので新聞紙などに包んで涼しい冷暗所、または冷蔵庫の野菜室で保存します。室温の場合3日くらいは持ちますが、気温の高い時期や少し長めに保存したいときは冷蔵保存のほうがよいでしょう。冷蔵する場合は、新聞紙で包んでポリ袋に入れて野菜室へ。ただし冷やしすぎるとかたくなり味が落ちるのでなるべく早く食べましょう。
水なす漬けは、例えばなす伝特製水なす糠漬けの場合は、全て個別袋入りのため冷蔵庫での保管やお裾分けにとても便利です。商品の到着後は、冷蔵庫の出来れば野菜室にお入れ下さい。水なす糠漬けの保管は5~12度、より望ましくは8~10度が適しています。真夏の作物である水なすは、例え浅漬けであっても5度未満では急速に鮮度が落ちます。
水ナスの栄養と期待される効能
ナスは一般的には9割以上は水分と糖分で構成されています。水なすとて同様です。ですから水なすには栄養が無いのではないかと言われそうですが、そうでもないのです。
水なすの皮にはアントシアン系色素である「ナスニン」というポリフェノールの一種が含まれています。ナスニンには発がんを抑制する抗酸化作用があり、美容や老化防止に大きく作用すると言われています。また、眼精疲労にも効果があるといわれています。そのため、水なすを調理するときは是非皮ごと使いましょう。カリウムも比較的多く含まれています。カリウムは血圧の上昇を抑える作用があるので、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。
なすの含まれることわざ
「秋なすは嫁に食わすな」 (あきなすはよめにくわすな)
このことわざには3つの意味があるとされています。まず秋なすは特に味がよいので、もったいないから嫁には食べさせるなという姑の嫁いびりの言葉。次に、ナスには体を冷やす効能があるので、涼しくなる秋にお嫁さんが体調を崩さないように、と言う意味。さらに、なすは種が少ないので子供ができないといけないから嫁には食べさせるなと気遣いのため使った言葉です。
「一富士二鷹三なすび」 (いちふじにたかさんなすび)
このことわざは、初夢に見ると縁起がいいと言われています。その訳は、富士山は日本一の山。鷹は高い、掴み取る。ナスは実に成る事から「ことを成す」「子孫繁栄」や「成功する」という意味だそうです。徳川家康が富士山・鷹狩り・初物のナスを好んだ、ことからなど諸説あります。いずれにしても、良い意味で使われていることは間違いなさそうです。
「親の意見と茄子の花は千に一つも徒はない」 (おやのいけんとなすびのはなはせんにひとつもあだはない)
ナスは水や肥料を比較的たくさん必要とするなど、育てるのには大変苦労するのですが,花が咲くまできちんと育てると一つの無駄花もなく実が成ります(結実率が高い)。一方、 親が子にする意見も同じように子にとって無駄な意見はなく、しかも間違いもないという見解です。「徒」は無駄という意味で,親の小言は良く聞くようにという意味だと思います。ちなみに、茄子という名前の由来は「早く実が成る」ことからだそうです。
「瓜の蔓に茄子はならぬ」(うりのつるになすびはならぬ)
血筋は争うことができず、平凡な親からは非凡な優れた子は生まれないということの喩えです。それから転じて、ある事柄からはそれ相応の結果しか生まれないということです。さらにそれから転じて、ある事柄からはそれ相応の結果しか生まれないということのようです。
類義のことわざとして、「蛙の子は蛙」(かえるのこはかえる)、「へちまの種は大根にならぬ」(へちまのたねはだいこんにならぬ) などがあります。一方、対義のことわざとして、「鳶が鷹を生む」(とびがたかをうむ)
というのがあります。
用例としては、俺の息子は『瓜の蔓に茄子はならぬ』で、「俺と同じ大工の職人の道を進むことになったが、なかなか覚えが早くて職人としての筋が良いようには思う」といった使い方があるようです。
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