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水なすの「なす伝」、泉州岸和田・貝塚より生産、通販


 なす伝 nasu-den

水なすの花

ナビゲーション

水なすの栽培方法

 (目次) 文字をclickすると各説明箇所へ移動します。
■はじめに
■水なす栽培の概要
■圃場の準備
■水なすの苗選び
■定植
■仮支柱立て・芽欠き
■整枝・枝の誘引
■水なすの仕立て
■ホルモン処理・トン打ち
側枝の摘芯・切り返し
■葉欠きと整枝
■水やり
■温度管理
肥料・栄養診断
■病害虫防除
■なり疲れ対策

■枝透かし、摘葉・摘芯で日当りを維持する


はじめに

 水なすの特徴は、何と言ってもその皮の薄さ・柔らかさ、果肉に含まれる水分の多さ、ほのかな甘味などで、生食も出来るほどジューシー、フルーティーな点です。それだけに水なすは繊細・デリケートで、その栽培方法も他の種類の茄子には無い点がいくつかあります。ここではその様な点を交えて、水なすの栽培上のポイントを出来るだけ解かり易く解説したいと思います。
 お陰様で、なす伝の水なすや水なす漬は、どこよりも皮が柔らかく実もジューシーだとの評判を多くのお客様から頂いております。どうしたらその様な水なすが出来るのかについても、わかる範囲で包み隠さず述べてみたいと考えています。ただなす伝は創業からの年数も短く、まだまだ浅学・経験不足の点が多々あります。解説の至らぬ点につきましては、来シーズン、来々シーズンと書き足して、徐々に内容を充実させていきたいと思います。その様な点をご理解頂けましたら幸いです。

水なす栽培の概要

栽培の流れ 
 泉州水なすは、近年需要が増えたことから、露地栽培のほか、無加温半促成栽培
ビニールハウス・無加温)加温促成栽培(ビニールハウス・加温)が行われ、周年で生産されています。
 定植までの作業としては、接ぎ木セル苗を購入し、ポリポットに移植して1〜2カ月育苗するのが普通です。本圃には株間45〜50cm前後で定植し、主枝を3〜4本立てに仕立てます。着果を安定させるために俗に「トン打ち」と呼ばれる植物ホルモン処理は必須です。一度トン打ちした花には、その後重ねて受粉させることを回避する必要があります(重ねてトン打ちした花からは、奇形な果実がなることもあります)。このため希薄した植物ホルモン剤には、赤や青の無害な食紅で色をつけています。このため栽培期間の水なす農家の人達の手は、真っ赤であったり、真っ青であったりします。
また適度な樹勢と採光性を確保するため、逐次摘心や、摘葉を繰り返し行います。さらに肥料や水を多く必要とするため、追肥や灌水のタイミングを逃さないよう注意します。


水なす「トン打ち、ホルモン処理」
 トン打ち直後の水なすの花びら
(青いのは食紅)

水なすの栽培・育て方、誘引
なす伝の水なす農場(3〜4本伸ばした枝を1本づつ紐で吊るしている)

水なす・作型

前述の通り、水ナスの栽培には3つのパターンがあります。

○ビニールハウス(加温)栽培での水なすの出荷は11月頃〜6月頃です。
○ビニールハウス(無加温)栽培での水なすの出荷は3月頃〜8月頃です。
○露地栽培では6月〜11月頃出荷されるので、今ではほぼ一年中食すことができます。

また割合としてはビニールハウス(無加温)栽培が最も多く、次いで露地栽培、ビニールハウス(加温)栽培の順となります。ビニールハウス(加温)栽培は温暖で育つ水なすを温めるため、設備投資、油代などの生産コストがかかり、また夏場に比べ需要も少ないため生産者が少なく、水なす生産者の全体の割合は5%未満と大変少なくなります。 露地栽培はハウス栽培に比べ、野外での栽培となるため雨風などの影響を受けるのでキズがつきやすいです。ナス紺色が濃く、種が多く、また皮がやや厚いのが特徴です。ただし露地物はハウス物に比べると、やや甘味に勝ると言う方もいらっしゃいます。
 ちなみになす伝では、水なすを全てビニールハウス(無加温)栽培で行なっております。したがいまして当稿では、主としてこの栽培方法を前提に記載させて頂きます。他の栽培方法を行なっているか、またお考えの方は、その点をどうぞご留意下さい。
水なす・露地栽培

収穫したばかりの水ナスはトゲが立っていて慣れた私たちでも指に刺さります。
最盛期には、朝4時から収穫作業が始まり、その日の朝に選別し出荷します。それ以外は、葉の剪定、受粉作業など、栽培の手間がとても掛かる野菜です。
「水なすのトゲ」

意外と暑さにも弱い水なす                                          

 熱帯地方原産の野菜だけに、水なすは寒さに弱いです。逆に夏場の暑さも限度を超えると木が疲れてしまい、水なすも弱ってしまいます。水なすは、意外と暑さにも弱いのです。水なすのお漬物がお中元などの贈答品として需要が増える7、8月は、水なす出荷の最盛期であり、一日の収穫量はそれまでと比べ数倍になります。真夏のビニールハウス内の温度は40近くに達することも珍しくありません。湿度も高く、体を使う作業なので体感温度はゆうに50近くはあるでしょう。そのため、一旦ハウスから外に出ると真夏なのに涼しく感じます。
 このように人も体力的に過酷な夏の農作業ですが、水なすも暑さと闘っています。気温が高くなり太陽が照りつける夏場になると、水なすも生育状況が急に悪くなります。
 このような環境下に耐えられなくなった水なすの一部は、見た目はツヤがなく、炭のようなくすんだ色になります。症状が進むと皮が硬くなり、水なすの水分量も減るので果肉がパサパサしてしまいます。出来る限りこのようにならないよう温度管理や水やりなどに気をつかいます。しかし一旦品質の低下してしまった水なすはランクが落ち、加熱しない漬物には向かなくなってしまいます。

水なすの選別は厳しい

 出荷時には形、艶、重量(水分)などを見て品質のランクが分けられます。実際にはA級、B級、C級、D級、規格外の5種類に細かく選別していきます。選別した中から質・見た目の良いA級品と、見た目が少し劣るB級品の一部が主に漬物屋さんへ出荷されます。
 なす伝でも水なすを漬ける際、A級品のみを使い、B級品以下は生の水なすとして出荷したり、あるいは古漬けにしたりします。水なすの特徴はごく薄い皮と、瑞々しく甘い果肉です。灰汁の少なさも特徴です。そんな水なすはA級品がもっともその特徴が生きており、ランクが落ちるほど劣ります。また水なすは贈答品として使われることが多いこともあり、傷が少なく見た目の良いA級品が漬物に加工されるのです。
 水なすは傷みやすくキズが付きやすいため、ぬか漬けする際の塩もみは一つ一つ手作業で丁寧に行なわなければなりません。なす伝では、岸和田農場で収獲した水なすを選別後すぐに隣の貝塚市にある加工場へ運び、その日のうちに漬け込みをおこないます。鮮度が良すぎてヘタに付いたトゲの鋭さに悩まされることも時々あります。

一般的には傷が付いたり形の悪いものはランクが低いのですが、ポリフェノールなどの栄養価は傷が付いた水なすの方が高いことが分かってきています。そのため、最近はC級品以下の水なすも以前に比べると商品価値が見直されつつあります。
 水なすは長なすや千両なすに比べ多量の水分を含んでおり、手で実を握ると水が滴り落ちるほどです。 特に温室栽培の水なすは皮が薄くやわらかく、葉にこすれただけで大きい傷になるほど繊細で傷つきやすいナスです。

水なす選別

水なすの選別風景:JAいずみの様の資料より

圃場の準備
土壌の消毒と土作り

 
これは前シーズンの終わった後すぐの8月から遅くとも9月中には終えていなければならない作業ですが、土壌の消毒をおこないます。残さを取り除いた後に、次の手順でおこないます。
@残さを取り除く
A粗起しをおこなう
・前年の畝を崩し、土を柔らかく耕します
・石灰窒素100〜150g/1uをまんべんなく撒きます
・切り藁2〜3s/1uを入れます
B水を張ります。水田のように水を溜められれば理想的ですが、できなければ出来るけ沢山の水を撒きます。
このとき石灰窒素と水が反応して有毒なガスが発生しますので、ハウス内の換気に特に気をつけて下さい。
C残ビニール(透明)で土の表面全体を覆います(マルチング)。ハウスを閉めきり、晴天の日を前提に最低で2週間ぐらい放置します。太陽熱による地温の上昇でカビや細菌の密度が低下します。また土中の害虫の卵なども消滅します。
Dビニールを除去して乾燥させた後、耕し、畝立てをおこないます。この過程で元肥を混ぜ込みますが、その量は前シーズンの特に終盤の水なすの株の状態や収獲状況などを勘案して決めます。いずれにしても元肥は控え目に施します。なす伝でも、土作りは前述した切り藁の投入を中心に考えています。藁は「これでもか・・・」と思うぐらい大量に混ぜ込み、土をフカフカにします。なす伝では8:8:8の配合肥料を、長さ30mのハウス1棟当たり15kg程度しか撒きません。

水なすの栽培・育て方

トラクターで粗起しをおこないます。狭いハウス内なので、熟練が必要です。

水なす:藁(ワラ切り)
通称「押し切り」と言うもので藁を細かく切っている様子。自動の機械もあるが高価。藁は細かければ細かいほうが良い(粗くとも10cm以下が望ましい。)


石灰窒素
 石灰窒素。20kgで3,500円程度とやや高価。水と反応して有毒ガスを発生させるので、ハウス内の換気には特に注意が必要。
水なすハウスの熱消毒
水を撒いた後、昨シーズンの残ビニール(ハウス内トンネルに使用したもの)で隙間無く土表面を覆う。最低2週間は放置して熱消毒する。有毒ガスが充満しているので、絶対にハウス内には入らないこと。

水なす石灰窒素で消毒

畝を立てる
 水なす;畝を立てる
 苗の植え付け時期から逆算して、1ヶ月前には畝立てを終了させます。水なすの根は縦に深く伸ることで多量の水分を吸うので、畝の高さは最低でも25cmは必要なようです。畝幅は120cm、株間は55〜60cm間隔とします。水なす以外の茄子ではこれを45〜50cmとする例が多いようですので、水なすの栽培間隔はかなり余裕をもってということになります。これは主として、葉と実や枝同士が触れ合うのを防いだり、採光性を良くするためです。
なお、なす伝では、間口が6mのハウスに幅が約120cmの畝を3列立てています。

マルチを被せる
 水なす:マルチ被せる
 マルチの色は黒の人が多いですが、中には透明や白を用いる人もいます。それぞれメリット・デメリットがあるようですが、特にこれでなければ駄目ということではなさそうでうす。
 なす伝では畝幅約120cmを前提に、マルチは黒で幅が90cmのもを畝毎に縦に2列で挟むようにして用いています。畝の上部中央で、2枚のマルチを洗濯ばさみで挟んでいます。苗を植えつけたり、栽培途中で土の乾き具合を確かめたりする場合には、その洗濯ばさみをその都度着脱して対応しています。
 なお、左の写真は苗の植え付け後のものですが、実際には畝を立てたならば直後にマルチを被せています。そうすることによって、苗の植え付け時には既に土の温度が高まっているようにしています。また植え付け直後の過度の乾燥を防ぐたあります。また露地栽培の場合には、ビニールの代わりに畝にワラ穂を並べて置いている方が多いです。そうすることで保温したり、乾燥を防止したり、雑草の生えてくるのを防いだり、また雨が降ったときに泥の跳ね返りを防止したりしています。

トンネルを被せる
 水なす:トンネル
 無加温ハウス栽培の場合には、1月末〜2月上旬の間に苗を植えつけることになりますので、ハウス内に2重の保温をするためトンネルを設けることが必要です。なす伝でも幅が2mの透明のビニールでトンネルを設けます。弓でアーチを1.5〜2m間隔で作り、その上から幅2m位の透明ビニールを覆い被せています。トンネルの裾にはレンガを重石に置いて、開け閉めしている間にずれるのを防止しています。
 なお、光の高い透過性が必要ですので、旧くて曇ったビニールの使用は避けた方が無難なように思われます。ちなみにこのビニールは、翌年の土の消毒にいずれ必要になります。

水なすの苗選び
 

[良い苗]
 水なす:悪い苗
水なす:良い苗

 
接木苗
 水なす:接木苗

泉州では、水なすを種まきやプラグ苗の段階から育てている農家も多いようですが、例えば種まきから本葉が7枚の苗にまで80日くらいかかるので、苗を購入するのが得策です。
 良い苗と、悪い苗の見分け方は、他の茄子の場合と差はありません。

良い苗・・・・・葉色が濃い黄緑色でみずみずしい、成長点近くの葉色は紫色がかって産毛がはえている、茎が太く節間が短い、大きな1番花が8〜9葉の上に付き開花寸前である、病害虫に侵されていない、葉が垂れ下がっていない、子葉が黄化せず傷ついていない、などです。

悪い苗
・・・・・良い苗のそれぞれ逆で、葉の色が薄い、茎が細くヒョロヒョロし間延び(徒長)している、病害虫にやられている、下葉が落ちてしまっている、ことなどです。

 「苗半作」と言う諺どおり、良い苗は増収に結びつきます。上記の良い苗に当てはまるような、できれば15cmポットの開花寸前株を選べば間違いないでしょう。また特に連作となるハウス栽培では、出来るだけ「接木苗」を選んで下さい。接木苗は多少高価ですが、半身いちょう病や青枯れ病などの土壌伝染性病害を防ぐためにはお勧めです。
 用いた台木の種類により、接木苗にもいくつかの種類があります。水なすの場合によく出回っているのが、「赤ナス」、「トレロ」、「トナシム」の3種ではなかろうかと思います。このうちなす伝では毎年「トナシム」の接木苗を使っています。トナシムは青枯病、半身萎ちょう病、半枯病、ネコブ線虫、などに複合耐病虫性を有します。トナシムはトレロより草勢がおとなしく、赤ナスより栽培後半までスタミナがあって、特に高温時期の栽培では収量性、秀品率とも高い台木です。トレロは台木の部分や株周辺の思わぬところなどから頻繁に新芽が伸びてくるなど、草勢がやや強すぎるのが欠点のようです。赤ナスはスタートダッシュに優れるのですが、栽培の後半にややスタミナ切れするのが欠点ではないでしょうか(あくまで、なす伝の使ってみての印象です・・・)。色々試されて比べてみるのも良いかもしれません。

水なすの定植

  温暖な泉州地方における無加温ハウス栽培の場合には、水なす苗の定植は1月末〜2月上旬の間です。ハウスと言っても無加温ですので外気の影響は少なからず受けます。栽培する地域や、海に近いか山の麓かなどの違いによって、気温は1〜2℃の差があるはずですので、自身に合った定植時期はよく見極める必要があります。
 ハウス内でかつマルチやトンネルを施していますので、土の温度は十分に上がっているはずです。しかしそれでも植え付けは、晴天の日を選んで植えます。畝がよく乾いている場合は前日に植え穴を掘って、十分潅水しておきます。ポットへも前日に潅水して根鉢の崩れを防ぎます。
 植え付けは根鉢の表面が見える程度に浅植えすることがポイントです。特に接木苗の場合は、接木の部分が土の表面にあまり接近しすぎないように留意します。あまり近すぎると、穂木(上部の水なす本来の木)の自根が伸びることで接木の効果が出なくなったり、台木の芽が頻繁に伸びてきたり、また潅水時に土の跳ね返りにより接木の部分からばい菌が進入したり、色々と問題の原因になることがあります。

 水なす:接木苗の植え付け方・水なすの定植

植え付け後の水のやり過ぎに注意
 植え付けが終わったら、十分に潅水して株元の土を落ち着かせます。根鉢を崩さないように植えると、3〜4日で活着し、しおれなくなります。その間は1日1回早朝の温度が上がり始めた時間帯に潅水が必要です。それでも日中にしおれてくる株がありますので、見つけたらその株だけにジョウロで少しだけ水をあげます(夜間にはまた乾く位の極少量))。ここで注意することは、一部の株がしおれてきたからといって、決して全体に潅水はしないことです。植え付け後、活着を促がすための潅水は、晴天続きの時でも通常1日1回で問題ありません。むしろこの時期に手軽に水やりできるので、つい水をやり過ぎてかえって活着や新根の成長を妨げてしまうことがあります。
 活着すると成長点のある先端部の葉色が淡くなって伸び始めるのですぐ解かります。以降は水遣りの間隔を次第に広げ、土が乾きかけたら潅水するといった管理をします。乾き気味にした方が、根は水を求めてよく伸びます。日中に外葉が少ししおれても芯葉がしっかりとしていて、夕方にしおれた葉がピンとしてくれば、慌てて潅水の必要はありません。

植え付け後の温度管理
 無加温ハウス栽培の場合、植え付け後はまだ1月、2月の真冬ですので、ビニールハウスのサイド窓は晴天の日の日中でも閉めたままです。温度は全てトンネルの裾の開け閉めで管理します。晴天の日はトンネルの片方を上までたくし上げた全開の状態にします。朝はハウス内の温度が上がり始めた頃に開けます。夕方は日が傾きかけた頃で未だハウス内の温度が暖かいうちに閉めてしまいます。少しでも夜間の冷え込みを和らげるため早めに閉めてしまうのがポイントです。また1日中雨の日は、トンネルは開けません。
 開け閉めを迷うのが、曇りや、雨のち曇りなどの回復傾向にある日です。特に後者の場合、ハウスから離れたところにいる時に限って、急に陽が差してくることがあります。その様な時にトンネルを閉め切っていると、トンネル内の温度が熱湯を被せたごとく燃えてしまうことがあります。そうなれば一瞬にして水なすの苗を枯らしてしまうこともあります。そのような危惧が少しでもある時は、原則ハウスを離れないことです。それでもハウスを離れる必要がある時は、写真にありますよう、トンネルの裾を何箇所か半分程度開けておきます。そのようにしておけば、最低限は全滅するといった事態は避けられます。

定植直後の水なす
定植直後の水なす

水なす:ハウス栽培
トンネルを全開にした状況

水なすトンネル
トンネルを閉め切った状態

水なすトンネル
天候のややこしい日などに、トンネルを半開けにした状態

水なすの仮支柱立て・芽欠き

仮支柱立て
 水なす・仮支柱

 露地栽培の場合に風で揺れて根が傷まないようにする「仮支柱」ですが、ハウス栽培の場合にも必ず施します。芽欠きや葉欠きをする場合に株が揺れる可能性もありますし、本支柱や誘引作業を行なうまでの間は、第1果や第2果の重みに未だ細い茎では耐えられないからです。
 50〜60cm程度の棒を土に斜めに差し込んで、茎を誘引しておきます。棒は竹やイボ竹を使い、紐や紙タイもしくはビニタイなどで誘引します。この際あまり強く結ぶのではなく、8の字を書く様に余裕を持たせて誘引しておくことがポイントです。なお仮支柱立ては、定植時に済ませておく方がいいでしょう。

芽欠き
  水なすの定植後は、1番花の下2〜3本の側枝(脇芽)を残し、それより下の葉の付け根部分から出る側枝(脇芽)は全て摘み取ってしまいます。後に主枝と2〜3本の側枝を伸ばして3〜4本仕立てとしていくのですが。ここでの脇芽欠きは、仕立てのことなどとは関係なく、早めに行なっておく方がいいでしょう。小さいうちだと、まとめて取った場合でも株への負担は結局少なく済みます。
 水なす:脇芽欠き

水なす:脇芽欠き

  今後の仕立て方法に関わって、どの枝を伸ばすかについては、単に「中心の主枝と、1番花の上下にある2〜3本の側枝」、と当初から機械的に決めておく必要はありません。それ以外にも各枝の勢いなどを含めて、栽培過程でゆっくりある程度の時間をかけて選んでいきます。


水なすの脇芽
 赤丸で囲んだのが脇芽です。下葉の付け根のところから伸びてきます。

水なす脇芽
 脇芽欠きは手でおこないます。ハサミを使うと万が一ですがウイルスを伝染さす可能性が残ります。

整枝・枝の誘引
 完全に活着し、成長点部の葉が展開し始めたら、整枝や枝の誘引を行います。水なすはトマトと同様に各節の脇芽がよく伸びて、放任するとすぐに枝が込み合って日当りが悪くなり、互いの枝が伸びにくくなったりするので、早めに整枝を行います。
 また、主枝を中心に伸ばしていく枝を常に斜め上方向に誘引しておかないと草勢が弱くなってしまいます。果実の重みで枝が垂れ下がると、その枝は勢いが弱くなって伸びにくくなり、脇芽も出にくくなります。 
 水なすは2葉ごとに花が付きますが、枝が伸びにくくなると葉も花も付きません。ですから、日当りを良くし、新しい枝を勢いよく伸ばすためには、伸ばす主枝は3〜4本に制限し、斜め上方に誘引することが重要なのです。
 水なすの主枝を誘引する方法にはいくつかあります。露地栽培では主枝に添って支柱を斜めに立てる方法と、支柱を株元や畝の両側に立て紐で枝の先を結束して誘引する方法などです。またハウス栽培では、横は肩から肩にパイプを設置し、縦は妻面から妻面までワイヤロープを張り、このロープに紐で各枝を結んで誘引する方法です。

水なす露地栽培
露地栽培での誘引。U字型のパイプを逆にして地面に突き刺し、これに紐を結束して誘引している。

水なすハウス栽培
ハウス栽培での誘引。妻面同士にワイヤロープを渡し、これに紐で誘引している。

水なすハウス栽
 実際の誘引作業は、その枝を伸ばしていくかと言った選定作業と平行して行なうことになります。ですから、誘引する紐は左写真のように一方の端を水なすの茎に括り付け、他方は丸く巻いて束ねておくことになります。

水なすの仕立て
 水なすの主枝の誘引のポイントは、主枝どうしに勝ち負けが起こらないようにすることです。主枝の勢いは、本来の主枝(主幹)が一番強く、次に1番花の直下の主枝、次にその下の主枝と、1番花の上の主枝の順です。
 水なすの仕立てでは、普通「3本仕立て」か「4本仕立て」のどちらかにします。双方で収量にそれ程差が出るわけではないようです。なす伝でも年によって自由に選んでいます。ただし、3本仕立ての場合には株間を55cmにし、4本仕立ての場合には株間を60cmにするなど、細かな調整は行なっています。

3本仕立てか、4本仕立てか
 水なすの3本仕立ては、主枝と、主枝の1番花の下の脇芽2本を伸ばして3本の主枝とする場合と、主枝と、主枝の1番花直下と直上の脇芽を伸ばして3本の主枝とする場合があります。どちらにするかは、株ごとに伸びる枝の太さや勢いなどを見て都度判断します。
 水なすの4本仕立ても色々あります。オーソドックスなのは、主枝と、主枝の1番花の下の脇芽2本、さらに1番花の直上の脇芽の計4本を伸ばす方法です。
 3本仕立てでも、4本仕立てでも、伸ばす主枝から下の脇芽は、活着後できるだけ早めに摘みとっておきます。脇芽摘みが遅れると、伸ばす枝の伸長を妨げたり、株元の日当りや風通しが悪くなります。
 特に接木苗では、台木の脇芽が発生したら早めに摘み取っておかないと、穂木の生長が妨げられるので注意します。また脇芽を摘み取った株元のは葉は、1番果の収獲時に摘み取って、株元の風通しを良くします。

 水なすの3本仕立て
 水なす仕立て方

 水なすの4本仕立て
 水なす仕立て方

水なすのホルモン処理・トン打ち

1番花の摘花
 やむなく貧弱な苗を植えたり、植え付け後の生長が思わしくなく、1番花が貧弱な時は、1番花を早めに摘花した方が、その後の生育も収量も多くなります。水なすだけではなく、どんな植物でも、葉や根よりも結実した果実に優先的に養分を送るため、草勢が弱い状態で果実をならすとますます弱くなってしまいます。
 水なすは、草勢さえ強ければ、2葉ごとに花を付けるので、摘花しても多少収獲時期が遅くなるだけです。トマトは第1花房を着果させないと暴れてしまう心配がありますが、水なすはその心配がほとんどありません。

ホルモン処理・トン打ち
 ホルモン処理は「トマトトーン」と言う商品を使って行なうので、通称「トン打ち」と呼ばれます。トン打ちは露地栽培では不要ですが、トンネル栽培では必須です。特にナスは35℃以上の高温や15℃以下の低温になると、花芽の分化や発育に障害が出て、開花しても落花したり、肥大も悪くなります。
 水なすの栽培で、生育初期が低温になった時には、初期の花にトマトトーンの50倍液を開花時にスプレーで散布しておくと確実に着果し、順調に肥大が進みます。また早植えでトンネルをかけたときは、初期の花にはホルモン処理をしないと低温のため受精せず、「石なす」になる危険性があります。その他にもトン打ちの効果として、皮がより薄く柔らかくなること、種が少なくなること、収獲時期が短縮されること、などが挙げられています。いずれにしても、水なすのハウス栽培では、ホルモン処理は栽培の終始において必須です。
 なお、ホルモン剤は開花した花だけに散布し、蕾や新芽にはかからないようにおこないます。また一度散布した花には、その後重ねて散布しないように留意します。2度トン打ちしてしまった花からは奇形果が育つ可能性が濃くなります。そのためホルモン剤を希薄する際に、緑や赤の食紅を混ぜます。散布済みの花であることを分るようにするためです。泉州地方の水なす農家の方々の手のひらは、真っ青や真っ赤に染まっていることが多いのですぐにわかります。(無害でお風呂に入れば取れるので心配はありません)。

水なすトン打ち
水なすの花びらへのトン打ちの様子。このようなノズルの長いスプレーが便利。

水なすの育て方
雌しべの基部(子房)が、ピンポン玉のように膨らんでくる。


側枝の摘心・切り返し
 
水なすの木の剪定
 最初にしっかりと主枝・側枝を誘引した水なすは、それぞれの枝に葉が2枚付くごとに花が咲き、その花の下の葉の脇芽(側枝)が伸びてきます。しかし、3〜4本仕立ての場合、側枝が多くなるため側枝同士の競合や果実負担で、脇芽が伸びてこなかったり、伸長も自然と鈍化するので、最初の整枝・誘引後はほとんど放任でも構いません。
 しかし、枝同士の競合で勢いが弱った貧弱な枝には、花が付かなかったり、満足な果実は期待できないので、付け根から切って日当りを良くしてやります。
 また、主枝と同等くらいに太く勢いの強い側枝は、放っておくと主枝の勢いを弱めたり、どちらが主枝か分らなくなってしまうので、その側枝は1番花の先に葉を2枚付けて摘芯しておきます。要は、株内の全体の枝に日がよく当たるよう、込み合った部分の枝を摘芯したり、間引いてやることです。摘芯すると太い脇芽が果実の下から伸びてきます。

水なすの木の切り戻し
 水なすは、主枝が旺盛に生長していれば主枝には2枚ごとに花が咲き、側枝も順調に発生し成長して果実をならせます。しかし側枝は放任して伸ばしても、側枝の2番花、3番花の咲く確立が低くなります。
 そこで、主枝はそのまま伸ばしますが、側枝(子枝)は側枝の1番花が開花したら、その上の葉を2枚残して摘心します。すると太い脇芽(孫枝)が側枝の1番果の下から発生してきます。水なすの果実の肥大には、果実の上下2枚の葉がもっとも重要です。
 そして、その1番果の収獲時に、1番果の下の葉2枚を残して切り返しをし、発生した太い脇芽(孫枝)を伸ばします。その時、その側枝の付け根の主枝の古葉も摘み取り、日当りを良くしておきます。摘葉は1回に1株5〜6枚程度にします。
 この孫枝も同様に、1番花が開花したら2葉先で摘心し、収獲時に2枚の葉を残して切り返しをします。このように側枝の摘芯・切り返しを繰り返していくと、日当りも悪くならず、常に太い側枝を伸ばすことができます。太い側枝には大きな花がつき、落花の心配がなく、肥大の良い果実になります。太い脇芽を安定して発生させることが、色の濃い光沢のある美味しい水なすを安定・多収するコツです。3本仕立て、4本仕立てのどちらの場合でも、この摘芯・切り返しを行なうと効果的です。

水なすの葉欠きと整枝
 水なす、葉欠き、整枝

 いくら上記のような摘芯・切り戻しを行なっていても、特に栽培の中期以降の水なすは葉や枝が込み合ってきます。日当りの悪い木からは、まともな果実は採れなくなってしまいます。そこで水なすの栽培の場合は、期を通して葉欠きや整枝が必要です。そのポイントは次の通りです。

 @よく育っている側枝は、伸ばして果実をならせます。

A込み合って花や果実の付いていないような貧弱な枝は、付け根から切って間引きます。

B花や蕾の付いていないような貧弱な枝は、2葉付けて切り戻して元気な枝を出させる。

C果実の下3枚くらいを残して、古い葉は欠きとって日当りを良くします。

水なすの水やり
基本
 水ナスの栽培ほど水やりの難しい作物はないです。その名の通り、水ナスの果実は緻密で水分を多く含んでいます。そのため、水やりは晴天の日は何も考えずに毎日やり続ければいいように思われがちです。しかしそれでは根は張らず、水ナスの収量は落ちてしまいます。特に、定植から間もない期間に水を過剰に与えすぎると、その水なすはいわゆる「いじけ易い」木になってしまいます。そのため、その個体は、少し太陽が当たり過ぎただけで、水切れをおこす、根性の無い水ナスになってしまいます。個々の苗毎に水やりを行えるなら、それでもよいのですが、ハウス栽培などとなると、一度に、何百もの苗に潅水チューブで潅水を行いますので、いちいちいじけた苗にかまってやれません。だから、水なすと言えど、基本は、やや乾かしぎみに、乾く一歩手前で十分に潅水してやることです。こうしたことで、根をいっぱいに張らせます。これが結構、難しい。水ナスの水やりは、3年どころか、10年はかかって一人前になれる、と言う方もいらっしゃいます。

植え付け後の水のやり過ぎに注意

 植え付けが終わったら、十分に潅水して株元の土を落ち着かせます。根鉢を崩さないように植えると、3〜4日で活着し、しおれなくなります。その間は1日1回早朝の温度が上がり始めた時間帯に潅水が必要です。それでも日中にしおれてくる株がありますので、見つけたらその株だけにジョウロで少しだけ水をあげます(夜間にはまた乾く位の極少量))。ここで注意することは、一部の株がしおれてきたからといって、決して全体に潅水はしないことです。植え付け後、活着を促がすための潅水は、晴天続きの時でも通常1日1回で問題ありません。むしろこの時期に手軽に水やりできるので、つい水をやり過ぎてかえって活着や新根の成長を妨げてしまうことがあります。
 活着すると成長点のある先端部の葉色が淡くなって伸び始めるのですぐ解かります。以降は水遣りの間隔を次第に広げ、土が乾きかけたら潅水するといった管理をします。乾き気味にした方が、根は水を求めてよく伸びます。日中に外葉が少ししおれても芯葉がしっかりとしていて、夕方にしおれた葉がピンとしてくれば、慌てて潅水の必要はありません。

春の水やり
 実際の水なすの春の潅水は、基本は土の表面が乾き始めた頃を見計らってということです。土の湿り具合を確かめるには、所々のマルチを捲ってみて、指先を触れ確かめてみるのが基本です。それで乾き始めていたら、朝の気温が上昇し始めるころに全株一斉に潅水します。またそれでも迷う場合があれば、写真にあるような「土壌水分計」を用いて、10〜15cmくらいの深さのところの乾き具合を確かめることもあります。実際には、根が活着してからの冬の間や、春の間は、3〜4日に1回位の水やりになります。

水なす、水分管理

マルチ上部の打ち合わせたところをめくって、土の乾き具合を指先で確かめてみる。これが基本。

水なす、メーター

 簡易型の土壌水分計。2,000〜3,000で購入できる。20cmくらいの電極の棒を地面に突き刺して計る。10〜15cmくらいの深さのところの乾き具合を確かめることができる。


夏の水やり
 端的に言えば、春に3〜4日に1度の水やりは、梅雨明け後には2日に1度くらいとなり、さらに真夏には毎日となります。
 水なすは、他のナスに比べると、豊富な土壌水分を必要とします。梅雨期は心配ありませんが、その後の真夏の高温・乾燥には弱いです。開花や結実が悪くなるのも、艶なしの「ボケナス」も、皮が硬くなったり日焼けするのも乾燥・水不足が原因です。ただし、こうした水やりの頻度は、どれだけ日常の整枝や葉欠きを頻繁に行なっているかということと重要な関連をもっています。枝葉が込み合い、不出来な果実が見るからに余分にぶら下がっていると言った状況では、1日1度の水やりでも次第に汚い畑となってしまいます。常に整枝や葉欠きをおこない、乾き具合を確かめながら水やり、と言った基本的なスタンスは夏の間の管理でも違いがありません。
水なす・露地栽培

 露地栽培では、梅雨が明けると一転して晴天が続き、乾燥・高温にさらされるようになり、乾燥を嫌う水なすにとっては大変な環境になります。
 畝の水分も急激に低下し、梅雨期の多湿で弱った根が吸い上げる水分だけでは蒸散量に追いつかず、日中に葉がしおれることがあります。この時はまず敷き藁を増やして地温の上昇、畝の渇きを抑えるようにすると、新しい白い根が発生してきて、しおれも直ってきます。


水なすの温度管理
活着までの管理
・定植後、根が活着するまでは、トンネルをあまり大きく開閉せず、密閉ぎみに管理します。トンネル内の温度と湿度を高めに管理することで、しおれが少なく、根の発育が促されるため、活着がスムーズになります。
・活着後(定植の約1週間後)は通常の管理に戻します。日中はなるべくトンネルを開け、水なすに光が当るよう 努めます。

低温期の管理(活着〜4月中旬)
・昼温25〜30℃、夜温13〜17℃を目標に、夜間の最低温度が10℃を下回らないように管理します。
・曇天で気温が上がらない日が続く場合、夜温を低めに管理し、昼夜の温度差(約10℃あるのが理想的)を確保します。
・冬季は、日照が不足するため。日中暖かい日は多少気温が低くても、なるべく朝からトンネルを開放し、日光に当てます。
・3月下旬以降は、日中ハウス内が高温になりますが、30℃を超えないように注意します。気温が上がりすぎる 場合は、ハウスの風下の側面上部を少し開けて換気します。

夏季の温度管理
・昼温35℃以下、夜温27℃以下を目標に管理します。
・ハウス内の温度が35℃を超えると、奇形果の原因となるため、ハウスの換気に努め、ハウス内があまり高温に ならないように注意します。
・早朝に急激な換気を行うと、ハウスサイド周辺の株に、がくの褐変などの障害を生じる恐れがあるので注意します。

なす伝の工夫
 なす伝では春から夏にかけてのハウス内の異常な温度上昇に対応するため、高圧換気扇による入排気を行なっています。サーモスタットにより自動に換気が出来るようにしてあり、とても活躍しています。


水なす・換気
  一方の妻面に設置した高圧換気扇は、ハウス内の温度が一定以上に急上昇した場合、外気を取り入れるよう設置しています。

水なす・換気

 当該換気扇をハウス内から見たところです。

水なすj・ハウス換気

流入した外気は、透明のダクトによりハウス内に均一に広がるようにセットしています。


肥料・栄養診断

 水なすの花の構造と肥料の関係
水なすの花・肥料
   肥料は足りている        肥料不足が疑われる     肥料不足

水なす花   水なすの花
        肥料は足りている         肥料が欠乏している

栄養の十分な枝

水なす・栄養

水なす・栄養

 肥料不足  肥料過多
 【花を見る】
○花びら中央の雌しべが、周りの雄しべより短い。もしくは両方がほとんど同じ長さ。
○花びらが平均して小さく、色が淡い。
○花は咲くが、最盛期にもかかわらず開花すべき蕾があまりついていない。
 【花を見る】
○花びら中央の雌しべが、周りの雄しべよりかなり長く突出している。(雌しべが少しでも出ている状態であれば、少なくとも肥料は足りている)
○花びらが平均して大きく、色が濃い。
○シーズンの終盤であるにも関わらず、花がやたらと多く咲く。かつ花は咲くものの着果不良を起す場合。(肥料過多で、枝が伸びるけれど、花付きが悪くなる場合があるので、見分けが必要)
○蕾が横に広い形をしていたり、茎が何本かくっ付いたように広がった状態にある(帯化)。
 【葉を見る】
(葉の色)

○下の方から順番に色が薄くなってくる⇒窒素不足の可能性
○下から色が薄くなり、生長が悪くなる⇒リン酸不足の可能性
○葉脈だけが緑色に残り、他が黄色く変色⇒マグネシュウム不足の可能性
○新芽部分の葉が、葉脈も全て黄色くなる⇒鉄分不足の可能性

(葉の大きさ)
○葉が平均して小さい。
(花の状態も合わせて判断が必要)
 【葉を見る】
(葉の色)

○新芽の部分は、紫色が濃く出る場合が多いが、それ以外の葉が極端に濃くなっている。⇒肥料、特に窒素過多の可能性
○土の肥料濃度が高くなり、根が傷んだため葉が付け根の部分から褐変している(肥料焼け)。
○葉脈の間がまばらに黄色く変色し、葉の表面が少し縮れたようになる。⇒りん酸過多の可能性
○葉脈の間に、茶色の斑点が出ている。⇒マグネシウムやマンガン過多の可能性

(葉が内側に巻く)
○特に生長点に近い部分の葉で起こる症状で、内側に巻くのは肥料が効きすぎているサインです。

(葉の大きさ)
○葉が平均して大きすぎ、混み合っている。

 【枝を見る】
○開花中の花から生長点までの長さが、平均値である20〜25cmに比べ極端に短く、枝を伸ばす力が弱くなっている。

 【枝を見る】
○開花中の花から生長点までの長さが、平均値である20〜25cmに比べ極端に長く、枝を伸ばす力が強くなりすぎているため、花付が悪くなっている。

水なすの病害虫防除

 主に高温多湿期に育てる水なすは、露地栽培、ハウス栽培のどちらであっても、無農薬で栽培するのは無理です。しかし減農薬で栽培することは十分可能です。減農薬のポイントは、あくまで早期予防と対策を行なうことに他なりません。早期予防をおこなうには、まず水なすの栽培と切り離せない病害虫について普段から理解を高めておくことです。その上で、少しでも病害虫の発生を発見したら、薬剤処理をおこなうことです。結果として、そのような対策が減農薬栽培に直結します。
 なす伝の行なっている無加温ハウス栽培では、毎年悩まされる病害虫として、ダニ、コナジラミ、アザミウマ、アブラムシ、うどんこ病、ススカビ病、などがあげられます。それらについて、発生原因や対策について述べたいと思います。
アブラムシ類
水なす:アブラムシ

  アブラムシは胎生の単為生殖で増殖する害虫です。 基本は無翅(羽がない)ですが、個体数が増え、過密になると、有翅(羽がある)個体が出現し、他の場所に移動します。
 その被害は、 主にナスの葉の裏に群れをなして寄生し吸汁します。密度が増すと葉が萎縮し生育が阻害され、重症になると落葉、枯死します。

対策と防除
 まず、アブラムシの付いた苗の定植は、極力避けることです。それでも定植時の対策として、水なす苗の植穴にオルトランやアドマイヤーなどの粒剤をごく少量混ぜ込んでおくことです。量としましては各小スプーンに1杯程度で十分です。露地栽培では、有翅虫としての侵入を防ぐため、風上に防風ネットなどで作物に寄せ付けないようにします。また、アブラムシを圃場で見つけた場合は、シルバーマルチや白マルチなどで被害株近くをマルチングすることも有効です。
 薬剤防除する場合は、薬剤の抵抗性ができるのを避けるため、同じ系統薬剤の連用を避けます。なす伝では、主薬剤としてアドマイヤーを用い、それにアブラムシへの効能がある薬剤を都度選んで、交互に散布する体制を採っています。
 根部に寄生して吸汁するアブラムシもいます。オカボノアカアブラムシです。寄生範囲は地際から深さ約15cmまでの根部で、通気性の良い圃場で発生します。大繁殖すると、葉が黄色くなり、樹勢の低下、萎凋など株に影響がでます。対策としては、 定植前のハウス内の熱殺菌を十分に行なっておく事。植付前に寄主植物のイネ科雑草等を除去することと、定植時の持ち込みに注意します。



水ナスに寄生するダニ類にはハダニ類とチャホコリダニに大別されます。 
■ハダニ類

水なす:ハダニ

水なすのハダニ類は葉裏に群生し養分を吸収します。葉の色が抜け始めそのうち白く乾燥状態になって、密度が高くなると葉は黄変し、落葉することもあります。落葉するあたりで、新しい葉へ移動するため、放置しておくと被害が拡大します。また被害は下葉から上の葉へ上がっていきます。

対策と防除

発生源は主に圃場内外の雑草が多く、雑草を除去します。被害苗を圃場に持ち込まないようにします。梅雨明け以降に被害が出やすいので、下葉を剪定して風通りを良くし、草勢維持も大切です。
発生初期の防除が第一なので心がけてください。同一薬剤や同一系統の薬剤の連用は避けます。栽培終了後に病害虫防除を兼ねて太陽熱殺菌処理を行います。

チャホコリダニ

水なす:チャホコリダニ

水なすが奇形の葉になったり、葉の縁が裏側に巻いたり、生長点が生長しなくなります。蕾や果実に寄生すると、蕾は咲かなかったり、奇形花になったりします。さらに水なすの果柄やヘタの表面が褐変、実もザラザラして灰褐変し、裂果したり商品価値がなくなります。

対策と防除
寄生する範囲は広いので、常発地帯では発生源の雑草の除去や樹木へは薬剤散布をして予防に努めます。圃場で発生した場合は、チャホコリダニのライフサイクルを利用して、初期防除を徹底すると被害拡大を食い止められます。薬剤防除の際は、同一薬剤や同系統の薬剤の連用を避けます。

アザミウマ類

水なす:アザミウマ

 メスは卵を葉や幼果などに1個ずつ産みつけます。孵化した幼虫は、葉や果実等で吸汁加害します。蛹の時期近くになると幼虫は移動し、土中などで前蛹になります。前蛹から蛹期は食害や移動はほとんどしません。 成虫になるとミナミキイロアザミウマは再び葉や果実に寄生し今度は食害します。

対策と防除

 水なすなどは寄主植物の範囲が広いので、圃場周辺の雑草をこまめに除去します。また畦にシルバーマルチを被せ、飛来と蛹化の防止策とします。
発生圃場では栽培終了後に必ず太陽熱の熱殺菌処理をし、外への拡散防止に努めます。
なお、多発後の薬剤防除は効果が少ないので、発生初期の防除に努めます。


コナジラミ類

水なす:コナジラミ
 コナジラミ類による主な被害は、成・幼虫の吸汁加害による生育抑制と、排泄物に発生するすす病による汚れ、およびそれに伴う同化作用の阻害などです。
 露地での発生は少なく、施設栽培で多く発生します。。オンシツコナジラミは野外で越冬できますが、タバココナジラミは野外で越冬できず、施設が主たる越冬場所と考えられます。。発生は、主に苗による持ち込みと野外からの成虫飛び込みから始まります。通常、気温が高くなる3月以降多くなりますが、加温施設では冬季でも増殖が激しく、多発することがあります。産卵は主に葉裏に行います。孵化幼虫は歩行するが、間もなく固着生活に入り、4齢を経て成虫になります。成虫は上位葉に移動し、吸汁加害します。25℃で卵から成虫になるまでの期間は、両種ともほぼ同じで約23日である。成虫は黄色によく誘引され、黄色粘着板で発生状況を把握できます。
 

対策と防除
換気窓への防虫ネット被覆や、UVカットフィルムの展張は成虫の侵入防止に有効です。天敵のオンシツツヤコバチ、サバクツヤコバチ、スワルスキー等が有効と言われています。発生が多い時は薬剤による防除が必要です。


すすかび病

水なす:すすかび

 すすかび病は、初期の頃であれば、葉の裏側に白っぽいカビが集まって病斑ができます。この病斑が真ん中から徐々に灰褐色に変わっていき、最終的にはすすで覆われたようになってしまいます。ナスの葉の表側では、裏側の病斑ができている部分が、黄色っぽい褐色の斑点ができます。症状が広がると、葉全体が黄色く退色してしまい、最終的には落葉します。

対策と防除
 すすかび病は、高温多湿になると起きやすい病気です。ハウスなどでは年中起きる病気のため、予防が欠かせません。できるだけ換気をして湿度と温度を下げるよう努めます。春になって気温が上がり始める頃から出る病気のため、換気とあわせて薬剤による予防も有効です。


うどんこ病

水なす:うどんこ

 うどんこ病の症状は主にナスの葉に現れます。はじめは葉の表面のところどころに白いカビが発生します。症状が進むと、だんだんと白いカビが範囲を広げ、葉の表面だけでなく、裏側もうどんこをふったように白くなっていきます。症状がひどくなってくると、カビは白から灰色っぽく変化し、葉も色も抜けて黄色くなります。
 その後、ナスの葉全体が黄色くなり落ちてしまいます。症状は下葉から上に向かって広がっていきます。進行すると葉だけでなく、葉柄や実のヘタ部分にもカビが広がります。

対策と防除
 日照不足や風通しの悪さ、過乾燥などが原因で起こりやすくなります。うどんこ病のごく初期の場合であれば、被害の出ている葉を摘むだけで症状がおさまることがあります。
 うどんこ病の症状が出る前に薬剤で予防するのも効果的です。発生してしまった場合には、専用の薬剤で治療します。


水なすのなり疲れ対策

 水なす:成り疲れ

 7月に入って梅雨明け後、水なすには正念場となります。それは乾燥・肥料切れになりやすいだけでなく、梅雨期に伸長した側枝に開花した果実がいっせいに肥大し、収獲のピークを迎えるからです。
 果実の負担が大きくなると、枝の先端部が細くなり、また脇芽の発生や伸びも悪くなります。枝の先端部を見て、開花した花の上に充実した蕾が1個以上、開いた葉が2枚以上無い時は、水や肥料不足で草勢が概して弱っている証拠です。このような生育では短花柱花が多くなり着果しにくく、艶なし果や日焼け果、また裂果が多くなります。
 このような時には、まず小果で早めに収獲し、潅水と追肥をして、草勢を回復してやります。肥料が不足気味の時は、規定濃度の液肥を株元と葉面に散布してやるのも効果が大きいでょう。

水なす:追肥

 追肥を行なう場合は、株元から十分離れたところに入れてやること。ちょうど畝の肩部分に溝を作り、そこに肥料を入れて、土で覆うとよい。こうすることで、肥料焼けを防ぎ、かつ潅水時に肥料が流れ落ちてしまうのを防ぐことができる

早めの収獲

 水なすは花芽分化後約30日で開花し、開花後20日前後で収獲になります。前半は果実を肥大させる株の負担が大きくなるので、枝の先端部の観察によって、弱りそうな時には早めに60グラム程度の果実 で若採りするするのが、後半の成疲れを防ぐコツです。
 幾分小さいうちに収穫した方が、数量が多くなり、なり疲れせず後半にも収獲果数が多くなり、最終的には収量が多くなります。


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枝透かし、摘葉・摘芯で日当りを維持する

  梅雨明け後に草勢が弱くなり落花が増えるのは、子枝や孫枝が混み合ってきて日当り・風通しが悪くなるからです。この梅雨明け頃から収獲時の、子枝や孫枝の切り切り戻し、日当りが悪く弱いふところ枝の間引き、古葉(ふところ葉の付け根の葉)の摘葉、垂れた主枝の再誘引作業、などが重要になってきます。また、主枝も太くて勢いのある側枝が伸びてくるよう、草勢が弱ってきたり支柱の高さまで伸びたら、摘芯します。
 ただし一般に、80〜90gの水なすを開花後23〜25日で収獲するには、1つの果実あたり少なくとも5〜6枚の葉が必要であると言われています。あまり1度に沢山の枝を間引いたり、葉を摘み取ると、ますます脇芽の勢いや果実の肥大が悪くなってしまいます。収獲時に側枝の切り戻し、古葉の摘葉などを適宜続けていれば、それほど混み合うところはありません。

 水なす:摘芯摘葉
 果実に葉が触れている。すぐに摘葉が必要

水なす:摘芯、摘葉 
 逐次摘枝や摘葉を行なっており、どの果実にも葉が触れていない。

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